【小児看護師】地域の子どもたちの健康を支える!小児地域医療で活躍する小児科ナースのやりがいと難しさ

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「子供は好きだけど、小児科看護師として本当にやっていけるかな…」

「子供の気持ちを理解して、適切なケアができるか不安です」

小児科看護師を目指す方の中には、こんな思いを抱えている人もいるでしょう。

しかし、小児科看護師に向いているのは、子ども一人ひとりの個性を大切にし、共に成長しようとする姿勢を持つ人なのです。
寄り添う力と想像力にあふれ、保護者に忍耐強く対応できる方であれば、きっと素晴らしい小児科看護師になれるはずです。

今、あなたの中にある優しさと可能性を信じて、小児看護の世界に一歩踏み出してみませんか。

この記事では、小児科看護師を目指す方や、キャリアチェンジを考えている看護師の方に向けて、

  • 小児科看護師に求められる資質や適性
  • 子どもや家族との関わり方のコツ
  • 小児看護の魅力とやりがい

について、小児科医として長年の経験を持つ筆者が解説しています。

小児科看護師として働くことで、子どもたちの健やかな成長を家族とともに支え、喜びを分かち合える素晴らしい経験ができます。
この記事を読んで、自分の適性を見極め、小児看護の世界で輝くきっかけにしてください。

小児科看護師のやりがいと難しさ

小児看護のやりがい

小児科クリニックの看護師の仕事には、子どもの笑顔や成長に触れる喜びがある一方で、緊急時の対応や感情労働によるストレスなど、独特の難しさもあります。

この職種を選ぶには、そのやりがいと難しさを十分に理解し、自分の適性を見極めることが大切です。
外来で子どもと家族に寄り添い、専門性を発揮しながら働くことで、大きな達成感を得られる可能性があります。

以下では、小児科クリニックの看護師の仕事におけるやりがいと難しさについて、具体的に解説していきます。

子どもの笑顔や成長に触れる喜び

小児科クリニックの看護師の最大のやりがいは、子どもたちの笑顔や成長に直接触れられることです。
病気や怪我で辛い思いをしている子どもが、治療を経て元気を取り戻していく姿を間近で見守れるのは、この仕事ならではの喜びと言えるでしょう。

「子どもの回復する姿を見られて本当に良かった」「一緒に頑張って良かった」「本当に成長の姿に感動」と感じる瞬間は、小児科クリニックの看護師の醍醐味です。
診察や処置の際に泣いていた子どもが、次の受診時には笑顔で挨拶してくれる。
そんな場面に立ち会えることは、何物にも代えがたい経験となります。

一方で、「子どもの病気や怪我を目の当たりにするのは辛いのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
確かに、時には心が痛む場面もあります。
しかし、そんな中でも子どもたちの笑顔や前向きな姿勢に励まされ、看護師自身も成長できるのです。

子どもの笑顔や成長に触れる喜びは、小児科クリニックの看護師の仕事の大きな原動力となります。
この喜びを感じられる人にとって、小児科看護は非常にやりがいのある職業と言えるでしょう。

家族との信頼関係構築の重要性

小児科クリニックの看護師の仕事において、子どもだけでなく家族との信頼関係を構築することは非常に重要です。
家族は子どもの治療や回復過程において欠かせないパートナーであり、看護師と家族が協力し合うことで、より良いケアを提供できます。

「家族の不安や心配にどう寄り添えばいいのだろう」と悩むこともあるかもしれません。
しかし、丁寧なコミュニケーションを心がけることで、徐々に信頼関係を築いていくことができます。

信頼関係構築の難しさとして、短い診察時間の中で家族の感情の揺れに対応することが挙げられます。
子どもの病気によるストレスから、家族が感情的になることもあるでしょう。
そんな時こそ、看護師の冷静さと共感力が試されます。

日本小児看護学会の調査によると、小児科看護師の83%が「家族とのコミュニケーションに難しさを感じる」と回答しています。
しかし、同時に78%が「家族との信頼関係構築にやりがいを感じる」とも答えており、この難しさを乗り越えることで大きな達成感を得られることがわかります。

家族との信頼関係構築は、小児科クリニックの看護師の重要な役割の一つです。
この過程で得られる経験は、看護師としての成長にもつながり、専門性を高める機会となるでしょう。

緊急時の冷静な判断と対応力

小児科クリニックの看護師にとって、緊急時の冷静な判断と迅速な対応力は不可欠なスキルです。
子どもの容態は急変しやすく、素早い判断と的確な行動が求められます。
この能力を磨くことは、小児科看護師としての専門性を高める重要な要素となります。

「緊急時に冷静に対応できるだろうか」と不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、経験を積み重ねることで、徐々にこのスキルを身につけていくことができます。

緊急時の対応力を高めるためのポイントをお伝えします

  • 基礎知識の徹底
    小児の生理学的特徴や疾患に関する知識を深め、異常の早期発見につなげます。例えば、年齢別のバイタルサインの正常値を把握しておくことで、異常を素早く察知できます。
  • シミュレーショントレーニングの活用
    緊急時を想定したシミュレーション訓練に積極的に参加し、実践的なスキルを磨きます。多くのクリニックで定期的に実施されているので、積極的に参加しましょう。
  • チームワークの強化
    医師や他のスタッフとの連携を日頃から密にし、緊急時にスムーズに対応できる体制を整えます。普段のカンファレンスや申し送りを大切にすることで、チームの結束力が高まります。

緊急時の対応の難しさとして、子どもの年齢や発達段階に応じた判断が求められることが挙げられます。
例えば、言葉でうまく症状を訴えられない乳幼児の場合、表情や行動の変化を敏感に察知する必要があります。

日本小児救急医学会の報告によると、小児の救急外来受診件数は年間約300万件にのぼります。
この数字からも、小児科クリニックでの緊急対応の重要性がうかがえます。

緊急時の冷静な判断と対応力は、実践を通じて身につけていくスキルです。
最初は不安を感じるかもしれませんが、一つひとつの経験が自信につながります。
この能力を磨くことで、子どもたちの命を守る重要な役割を果たせるようになるのです。

感情労働によるストレスへの対処法

小児科クリニックの看護師の仕事は、高度な感情労働を伴います。
子どもや家族の不安や痛みに寄り添いながら、自身の感情をコントロールし、常に専門的な対応を求められるのです。
このような感情労働は、時として大きなストレスとなる可能性があります。

「子どもの痛みを目の当たりにして、自分の感情をコントロールできるだろうか」と心配する方もいるでしょう。
しかし、適切な対処法を身につけることで、このストレスを軽減し、長く働き続けることができます。

感情労働のストレスは蓄積しやすく、バーンアウトのリスクも高いと言われています。
日本看護協会の調査によると、小児科看護師の約40%が「感情労働によるストレスを強く感じる」と回答しています。

しかし、このストレスに適切に対処することで、より深い共感力と専門性を身につけることができます。
感情労働を通じて得られる経験は、看護師としての成長に大きく寄与するのです。

「子どもや家族の気持ちに寄り添いながら、自分の心も大切にする」。
このバランスを取ることが、小児科クリニックの看護師として長く活躍するための鍵となります。
自身の感情と向き合い、適切に対処する能力を磨くことで、より質の高い看護を提供し続けることができるでしょう。

まとめ:子どもの笑顔を支える、あなたの優しさが力になる

今回は、小児科看護師という職業に興味を持ち、自分に向いているかどうか悩んでいる方に向けて、

  • 小児科看護師に求められる資質や適性
  • 子どもや家族との関わり方のポイント
  • 小児科看護師のやりがいと難しさ

上記について、小児科医としての経験と、医療従事者の成長を支援する立場から、お話してきました。

小児科看護師には、子ども一人ひとりの個性を大切にし、寄り添う力と想像力が求められます。それは単に子どもが好きなだけでなく、病気や治療に立ち向かう子どもと家族の気持ちに共感し、専門性を持って支援できる人のことを指します。

経験不足や自信のなさから躊躇している方もいるかもしれません。しかし、向き、不向きではなく、仲間と成長を続けていくことで、このような力はおのずと身についてきます。

子どもの目線に立ち、遊びを取り入れながら治療への協力を引き出す工夫や、保護者の不安に寄り添う姿勢を続け、あなたにしかできない形で、本物の力を身につけたナースに成長していくこと思います。そして、あなたが本来持つ優しさと感性と相まって、小児看護の現場で大きな成長と貢献できる自分を実感できると思います。

小児科看護の世界では、子どもたちの健やかな成長を支える喜びと、家族との信頼関係を築く充実感を味わえます。
時には困難に直面することもあるでしょうが、それを乗り越えるたびに、あなた自身も成長していくことができるのです。

まずは、地域の小児科クリニックでの短期研修や見学から始めてみてはいかがでしょうか。実際に現場を体験することで、自分の適性を確認し、新たな可能性を見出せるはずです。子どもたちの笑顔のために、あなたの優しさと専門性を存分に発揮していきませんか。小児科看護の世界で、あなたの花を大きく咲かせることを心から応援しています。

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この記事を書いた人

小森塾塾長

小森塾塾長 小森広嗣

小児科医師(小森こどもクリニック理事長、院長)、人財育成コンサルタント、「7つの習慣実践会」認定ファシリテーター

小児医療、健康教育、人財育成を通し、日本を元気にすること!!が使命です。本質を考え、悩みに方向性を与える力を大切に診療、教育活動をしています。

志ある仲間と共に成長の階段を登りながら、愛のある医療チーム創りを目標に、小森塾を開校しました。

ストレングスファインダー:未来志向、成長促進、戦略性、達成欲、学習欲

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