「この仕事やってみたい」から始めることでOK〜使命や貢献は後からついてくる〜
大きな目標や、人のためになる仕事をしたいと考える人は多いですが、最初からその気持ちを抱いて行動できる人は、実際には少ないものです。私自身も、最初からドラッカーの大工の話で出てくる「大聖堂を立てる!」べく「小児医療に貢献し、少しでもより良い社会を創ることが使命」と考えていたわけではありません。むしろ、「ちょっと興味がある」「面白そうかも」といった、ほんの小さな気持ちから今の仕事が始まりました。
みなさんも、「自分にはまだ使命感やビジョンがない」とか「これでいいのか」と悩むことがあるかもしれません。でも、焦らなくても大丈夫です。私の経験でも、最初から強い志を持っていたわけではありませんし、正直、使命感やビジョンなんてものは後からついてきたものです。
今回は、そんな私の体験を通じて、使命感やビジョンをどうやって見出していけばいいのか、その道のりについてお話ししたいと思います。
1. 最初は「なんとなく興味がある」で十分
振り返ってみると、私が医療の道に進んだのも、最初は本当に「なんとなくやってみたい」という気持ちからでした。医療の世界に入ってすぐに感じたのは、理想とはかけ離れた現実と、思っていた以上の泥臭さ、地道さ、過酷さでした。使命感やビジョンを考えるどころか、毎日がただ必死な日々。与えられた仕事をなんとかこなすことで精一杯でした。
「技術を身につけなければ、とにかく前に進めない。そんな気持ちで必死にやっていました」
だから、「最初から使命感が持てないとダメだ」なんて思う必要はありません。むしろ、小さな興味や「なんとなく面白そう」という気持ちがあれば、それで十分です。まずはその気持ちを頼りに、目の前のことに、一生懸命に取り組んでみることが大切だと思います。
2. 周りの影響から芽生える「使命感」
私が「使命感」を実感できるようになったのは、実は自分の中から生まれたものではありません。多くは、周りの先輩や上司、恩師からの影響でした。彼らは、医療の現場で「世のため、人のために貢献する」という言葉を口にされていました。当初の私には、それが何を意味するのか、正直ピンと来ていなかったのですが、それでも聞き続けているうちに、「そういうものなのかもしれないな」と少しずつ心に響いていき、染み込んでいきました。
「ただ、ひたすら先輩方の言葉を聞いて、彼らの姿を真似し続けました。その中で、自分の中にも少しずつ使命感が育ってきた気がします」
だから、最初から大きな使命を抱く必要はないんです。まずは「型」を真似するようなつもりで、周りの考え方や行動を自分もなぞってみることが大事。その中で、少しずつ自分なりのビジョンや使命感が芽生えてくるのです。
3. まずは「型の稽古」を積み重ねること
私が大切だと思っているのは、何事もまず「型」を学ぶことです。最初から自分なりのやり方で突き進むのではなく、先輩や上司がやっていることをそのまま真似してみる。そして、与えられた環境でコツコツと積み重ねていくうちに、やがて自分なりの形が見えてくると思います。
「どうせ同じ仕事をするなら、ただ指示として受け取るのではなく、『これが誰かの役に立つかもしれない』とか、『喜んでもらえたら嬉しいな』という気持ちを少し持ってやってみてください」
最初は意味がわからなくても大丈夫です。少しずつ「こういうことかもしれない」と感じる瞬間が増えてきて、それがやがて自分の使命感やビジョンになっていくと思います。
結論〜焦らず、自分のペースで「使命」を育てていこう〜
今は焦らないでください。最初から完璧な使命感やビジョンがなくても大丈夫です。私自身も、使命感を実感するようになったのはずっと後のことでした。最初は「なんとなくやってみたい」から始めたのが、いつしか「これが自分の使命かもしれない」という気持ちに変わっていったのです。
「今は目の前の仕事に集中するだけで十分です。少しずつ積み重ねていけば、きっとその先に“自分の使命”が見えてくるはずです」
使命感やビジョンは、努力と経験の中で少しずつ育っていくものです。だからこそ、今は目の前にあることに全力を尽くしながら、焦らずに自分のペースで進んでいきましょう。その先には、きっとあなたにとっての「使命」が待っていると思います。気づけばそれが「使命」「天職」になっていきます!そして、後ろから続く、後輩に同じく、導ける人が増えたら嬉しく思います。