楽しいことばかりの人生ってある?「充実感」の本当の姿を考える
最近、「頑張りすぎない時代」とよく言われます。長時間労働が当たり前とされていた時代から変わりつつあり、無理をせず自分のペースで生きることが推奨されるようになってきました。
これはもちろん、働きすぎて心身の健康を損なってしまう人が増えた背景もあってのこと。だからこそ、頑張りすぎている人には少しペースを落として、心と体を守りながら進んでほしいと思います。
ですが、「頑張りすぎない」という言葉も、状況によっては少し注意が必要かもしれません。現状に満足しきって、特に何も変えずに「頑張らない」選択をするのは、成長の機会を逃してしまう可能性もあります。
結局のところ、「どれくらい頑張るか」はその人の状況や目指すものによって違いますから、自分に合ったペースを見つけることが大切なのではないでしょうか。
「楽しいこと8割、辛いこと2割」の理想(幻想?)に縛られていませんか?
もしかすると、皆さんの中には「充実した人生」を「楽しいことが8割、嫌なことが2割」のような理想で捉えている方もいるかもしれません。確かに、そんな生活ができれば最高だと思うかもしれません。でも、本当にそんな完璧(理想)な世界があるでしょうか?
「充実した人生は楽しいことばかり」と思い込むことで、逆にちょっとした不満や辛い出来事があるだけで「自分の人生は最悪だ」と感じてしまう可能性があります。
この考え方は、子どもにの成長の過程をみると理解しやすいです。
例えば、子どもは、さっきまで楽しいことをしていたのに、何かがきっかけで「やることがなくなった瞬間」に、突然「全く楽しいことがない」と感じてしまうことがあります。
100%楽しくなければ「楽しくない」と考えてしまう。いわば、全てが楽しいものでなければ満たされないという考え方に縛られているのです。
しかし、楽しい時間も、退屈な時間や何もない時間があるからこそより充実するものです。楽しいことが続くだけでは、その喜びの価値は薄れてしまいます。
退屈を感じる時間や「待つこと」「我慢すること」も含めて、それが人生の一部であり、大切な学びです。子供たちは、このようなプロセスを経て、少しずつ、バランス感覚を学んでいくものです。
こうした経験は、子どもだけではなく、私たち大人にとっても、改めて大切な視点ではないでしょうか。
だからこそ、「楽しいことが8割、辛いことが2割」という理想に縛られるのではなく、むしろ「2割が良いこと、楽しいこと」であれば、それで十分幸せだと感じられる考え方を持つことが重要だと思っています。「1つの良いこと」があるだけで、日々のしんどさや努力が報われたように思える瞬間もあるはずです。
「8割がしんどいこと」でも、それが成長の源になる
私自身も、正直に言えば、どちらかというと「8、9割がしんどいことや大変だなと思うこと」で、残りの1、2割くらいが「良かったこと」「嬉しかったこと」「ありがたかったこと」というのが実感です。
でも、だからといって「不幸」というわけではありません。むしろ、その1、2割があるだけで「十分幸せだし、それがやりがいでもある」と思えるんです。
そのくらいのバランスがあるからこそ、自分にとって成長につながるんじゃないかとも感じています。日々、自分を律しながら生きることが、結局は気持ちよく生きていけることにもつながっているんです。
こうした物事の捉え方はあくまで私個人の一つの視点ですが、同じように「楽しいことばかりを追い求めるだけが幸せじゃない」と考える視点も大事だと日々感じています。
成長のためには「しんどさ」も必要
人が成長するためには、少し負荷がかかる環境や、時に「しんどいな」「大変だな」と感じる状況が必要です。筋トレやマラソンを考えてみてください。筋肉を鍛えるためには負荷をかけないと意味がありません。
楽なトレーニングだけしていても、筋力はつきませんよね。それと同じように、人生においても少し息切れするような瞬間があるからこそ、私たちは成長し、一歩ずつ前に進んでいけるのだと思います。
私自身、先ほども触れたように、日々の多くは「しんどいな」と感じることが多いです。でも、その「しんどさ」こそが自分にとって成長のサインであり、乗り越えたときに新たな自分に出会える感覚があります。だからこそ、日々の中で「感謝」「いいこと」にアンテナを張りながら、成長を目指して奮闘しています。
充実した人生は「楽しいことだけ」ではない
楽しいことばかりを求めるのではなく、辛い時間や退屈な時間があるからこそ、その「1、2割の喜び(時に数パーセント)」が特別なものになる。人生には、しんどさや困難も含まれているからこそ、それを乗り越える充実感や成長を味わうことができるのです。
実際のところ、状況によっては100のうち1、2あるかないかの「良かったこと」でも、それが十分に人生の充実感を支えてくれることもあります。
大切なのは、「すべてがうまくいっている」「嫌なことがほとんどない」という基準ではなく、たとえしんどさがあっても、その中で良いことに目を向ける力を養うことです。そうすれば、日々の小さな喜びや支え合いの瞬間に気づけるようになります。
まとめ 良い仲間と共に、前向きな思考を大切に
こうして充実感を感じながら生きていくためには、「良い仲間」と出会うことも大切です。人生には時にハードな状況が訪れますが、前向きな考え方を持ち、お互いを支え合える仲間がいれば、乗り越えられることが増えていくでしょう。
私たちが厳しい時代を生きているからこそ、良い言葉や温かい視点を持てる仲間に囲まれていることは、かけがえのない財産です。
「頑張りすぎない」という言葉に甘えるだけでなく、自分に合った「頑張り方」を見つけながら、充実した日々を積み重ねていく。それが、現実的な幸せや成長に繋がっていくのではないでしょうか。そして、日々の小さな幸せに目を向けながら、共に前向きに生きていくことができたら、それこそが「充実した人生」と言えるのだと思います。