アンパンマンに学ぶ『愛』と『勇気』〜子育てや教育で実践するバランスの秘訣〜

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子育てや教育の現場に携わっている方なら、一度は「優しさ」と「厳しさ」のバランスに悩んだことがあるのではないでしょうか?

親として、指導者として、相手に優しく接しすぎると甘えが出てしまうし、逆に厳しすぎると心が折れてしまうこともあります。どちらが良いのかはっきりせず、迷ってしまう方も多いと思います。

実際に、私たちも日々、子どもや仲間の成長を願いながら「勇気と思いやりのバランス」を模索しています。このバランスが本当に大切だと感じているからこそ、今日はその考え方と、現場での実践についてお話ししたいと思います。

「優しすぎず、厳しすぎず」がなぜ難しいのか?

現代では、「褒めて育てる教育」や「優しさを重視した子育て」が推奨されることが多いと感じます。一方で、昔のような厳格な指導や、しつけの厳しさを評価する声も根強くあります。この「優しさ」と「厳しさ」の間で揺れ動くのは、私たちが人間関係の中でどちらか一方に傾きやすい生き物だからかもしれません。

ただ、大切なのはどちらかに偏らないことです。書籍『7つの習慣』でも説かれているように、「勇気と思いやりのバランス」が充実した人生や幸福な関係を築くための鍵なのです。

優しさだけでも、厳しさだけでも不十分。両方の要素を持ち合わせることが、人を育て、関係性を深めるためには欠かせないということです。

たとえば、職場や家庭で「むちゃくちゃ優しいけど、必要なときは厳しい人」という存在に出会ったことはありませんか?

その人の優しさに触れると心が温かくなり、厳しい指摘を受けると「自分のためを思ってくれている」と信頼できる。優しさと厳しさの両方を持つ人は、相手を正しい方向へ導く力があります。これが「勇気と思いやりのバランス」が生み出す力で、目指したい姿です。

「愛」と「勇気」のバランスをアンパンマンに学ぶ

子どもたちに大人気のキャラクター、アンパンマン。彼の世界観を思い出してみてください。アンパンマンが口にする「愛と勇気だけが友だちさ」という言葉には、実はとても大切なメッセージが込められています。

愛だけで物事に向き合えば、優しさに溺れて相手を甘やかしてしまうかもしれません。一方、勇気だけでは、冷たく突き放してしまう可能性があります。でも、アンパンマンは「愛」と「勇気」をセットで使いながら、仲間を助け、バイキンマンと向き合っています。

たとえば、バイキンマンが何度も悪さをしても、アンパンマンは決して見捨てません。彼は悪事を懲らしめますが、最後には許し、次のチャンスを与えます。この「許し」には愛と思いやりが込められています。ただし、甘やかして見過ごすわけではなく、悪事には「それはダメだ!」と毅然とした態度で向き合います。このバランスこそが、アンパンマンが愛される理由の一つではないでしょうか。

私たちもこのように、「相手を甘やかさずに見守る愛」と「時に厳しい態度を取る勇気」を使い分けながら、人と向き合っていけたら素敵だと思いませんか?

勇気と思いやりの「両輪」で進む

勇気と思いやりは、車の両輪のようなものです。片方に偏ってしまうと、まっすぐ進むことができません。たとえば、優しさだけで接すると、相手は甘えや依存に陥りやすくなる。一方で、厳しさだけでは信頼関係が築けず、相手が自信を失ってしまいます。この両輪をバランスよく回しながら進むことで、私たちは初めて目指すべきゴールに向かうことができるのです。

現場で私たちが伝えているのは、「勇気と思いやりのバランスが取れて初めて、本当のリーダーシップが発揮される」ということです。指導者や親がこのバランスを実践することで、子どもや仲間も自然とその姿勢を学び、やがて自分自身もバランスを取れる人間へと成長していくことを大事に教育しています。

バランスは試行錯誤の中で身につけるもの

この「勇気と思いやりのバランス」を頭で理解することは簡単です。しかし、実際にそれをうまく保つには、経験を通じて体得するしかありません。実際に相手と向き合い、時に優しさを示し、時に厳しさを伝える。この繰り返しの中でしか、そのバランス感覚は磨かれないのです。

このプロセスは、まるでロープの上を歩くようなものです。両手に「勇気」と「思いやり」という重りを持ってバランスを取りながら前進するには、最初は何度もロープから落ちるでしょう。それでも、繰り返し練習することで、少しずつ安定して歩けるようになるのです。

私たちのクリニックでも、スタッフ同士や患者さんとの関わりの中でこのバランスを磨くことを意識しています。「優しさだけでは人は育たず、厳しさだけでも成長しない」。その中間にこそ、人の可能性を引き出す力があるのだと信じています。

本当の愛とリーダーシップは、バランスの中にある

私たちが目指しているのは、単に「優しい人」や「厳しい人」になることではありません。相手の幸せを心から願い、そのために「時に厳しく、時に優しく」接することで、相手の成長を支えることができると信じています。

もちろん、このバランスを取ることは簡単ではありません。環境や状況によって適切な対応は変わりますし、私たち自身も日々の鍛錬や試行錯誤を重ねています。それでも、このバランスを実践し続けることが、私たち自身の成長にもつながり、相手にとってもかけがえのない支えとなるのです。

「勇気」と「思いやり」という両輪をうまく使いこなすことで、私たちは子どもや仲間たちと共に、より豊かな人生を築いていくことができるでしょう。今日もその両輪で、一歩ずつ前に進んでいきませんか?

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この記事を書いた人

小森塾塾長

小森塾塾長 小森広嗣

小児科医師(小森こどもクリニック理事長、院長)、人財育成コンサルタント、「7つの習慣実践会」認定ファシリテーター

小児医療、健康教育、人財育成を通し、日本を元気にすること!!が使命です。本質を考え、悩みに方向性を与える力を大切に診療、教育活動をしています。

志ある仲間と共に成長の階段を登りながら、愛のある医療チーム創りを目標に、小森塾を開校しました。

ストレングスファインダー:未来志向、成長促進、戦略性、達成欲、学習欲

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