プロフェッショナルの本質は「優しさ」にある~本当の優秀さを育む方法~

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プロフェッショナルとして本質的な仕事をしたいと思うならば、技術や知識だけではなく、「優しさ」を磨くことが必要不可欠です。

「優しさ」とは、単なる親切心や表面的な態度ではなく、相手を本当に思いやり、相手の立場に立って深く理解しようとする力です。そして、この「優しさ」こそが、プロ=「優秀さ」の土台になります。

すなわち、「優秀」=「優しさ」に「秀」でている人=プロフェッショナルであるという関係であるということです。

本質的な仕事を成し遂げたい、自分の仕事に誇りを持ちたいと望む方に、今回は、優しさの本質とプロフェッショナルの関係について掘り下げてお伝えしていきます。

プロフェッショナルとは何か?

多くの人が「プロフェッショナル」や「優秀」と聞くと、スキルの高さ、知識の豊富さ、仕事のスピードなどを思い浮かべるかもしれません。しかし、それだけではプロフェッショナルとは言えないと考えています。

真のプロフェッショナルとは、相手の悩みや不安を理解し、寄り添う力を持つ人です。

どんな仕事や状況でも相手(上司、同僚、あるいは患者さん)の気持ちに共感し、その人にとって本当に困っていること望むことが理解できることが、最善の結果を導き出すことにつながり、プロとしての仕事が果たせます。

この「相手を理解し、寄り添う力」こそが優しさの本質であり、プロフェッショナルとして優秀な人に共通する資質です。

技術や知識を磨くことも大切ですが、プロフェッショナルとして本質的な仕事をするためには、優しさを育むことが欠かせません。それは、相手に安心感と信頼を与える土台であり、仕事を本質的なレベルに引き上げるための鍵なのです。

優しさの本質=「人+憂う」という力

優しさとは何でしょうか?「優しい」という言葉は「人+憂う」と書きます。この文字が示すように、優しさの本質は相手の悩みや悲しみ、不安に心から共感し、理解しようとする力にあります。

それは、単なる親切や表面的な態度ではありません。相手の立場に立ち、その人の苦しみを深く理解しようとする力こそが、真の優しさです。

優しさを表面的な行動や態度に限定して考えてしまうと、本当の意味で相手に寄り添うことができなくなります。たとえば、優しそうな言葉をかけたり、プレゼントを贈ることは一見優しさのように見えますが、それが「自分をよく見せたい」「悪く思われたくない」という気持ちから来ているのであれば、それは優しさではありません。

プロフェッショナルとして優秀な仕事をするためには、この本質的な優しさが欠かせません。それは、相手を深く理解し、「この人にとって本当に大切なことは何だろう」と考える力から始まります。

優しさを磨くために必要なこと

優しさは生まれつき備わっているものではありません。それは、日々の仕事や人間関係を通じて磨いていくことができる力です。では、優しさを育むためには何が必要なのでしょうか?ここでは、具体的な3つのポイントを挙げます。

1. 自分自身の「憂い」と向き合う

優しさは、他人の苦しみを理解する力に他なりません。そして、その力は自分自身が悩みや苦しみと向き合った経験からはじめて生み出されるものです。

たとえば、自分が仕事で失敗した経験や、苦しい人間関係に直面したときの気持ち。それをしっかり受け止め、消化していくことで、他者の痛みや不安に共感する感受性が育まれます。「自分も悩んだことがあるから、相手の悩みを理解できる」という視点は、優しさを磨く上でとても大切です。

2. 相手の視点で「本当に困っていること」を理解する

優しさに秀でた人は、相手の表面的な言葉や態度に惑わされず、その奥にある「本当に困っていること」に気づけます。そしてそれを、自分の都合や感情を脇に置きながら、相手の視点で理解し、相手の心の声をしっかりと受け止めます。

ここで注意すべきなのは、「自分がそう思うから」「自分だったらこうする」という自分本位な視点で相手のことを考えてしまうことです。このように、自分の価値観や立場から相手の問題を判断してしまうと、本当の優しさにはつながりません。

優しさを磨くためには、相手の視点に立ち、「この人にとって何が一番の悩みなのか?」「どんな気持ちでいるのか?」と心から考えることが必要です。そして、相手が本当に困っていることを丁寧に理解することが、優しさの第一歩となるのです。

3. 言葉や行動は「第2段階」

本当に相手の困っていることや悩みを理解し、それに心から共感できる力を持つ人は、その優しさが自然とにじみ出るものです。たとえば、一見ぶっきらぼうな言葉をかけたり、言葉数が少ない人でも、心から相手を思う人の言葉や態度には、本質的な優しさが宿っています。

もちろん、優しさを言葉や行動、あるいは物で表現することも大切です。しかし、それらは「第2段階」に過ぎないということを忘れてはいけません。どんなに優しそうな言葉をかけたり、贈り物をしても、その根底に「相手の苦しみを理解し寄り添おう」という姿勢がなければ、それは単なる表面的な優しさにとどまってしまいます。

優しさの本質は、「相手の気持ちを深く理解し寄り添う力」にあります。表面的な行動ではなく、相手の視点に立って寄り添うことこそが、本当の優しさなのです。

優しさがもたらす仕事と人間関係への影響

優しさは、単に人間関係を良くするためだけのものではありません。それは、プロフェッショナルとしての仕事においても重要な力です。

たとえば、医療の現場では、患者さんが抱える表面的な症状だけでなく、その裏側にある「本当の不安」や「隠れた悩み」に気づき、それに寄り添うことが求められます。

優しさに秀でた医療従事者は、患者さんやその家族に安心感を与え、信頼関係を築くことができます。これが患者さんの治療意欲や回復力を高める大きな要因となります。

また、どんな職場でも、優しさを持つ人はチーム全体を支える存在になります。優しさは、周囲の人々に安心感と信頼感を与え、職場の雰囲気やパフォーマンスを向上させる力を持っています。

まとめ〜「優秀さ」とは「優しさ」である〜

優しさとは相手の苦しみを深く理解する力であり、それこそがプロフェッショナルとしての「優秀さ」の本質です。

技術や知識を磨くことはもちろん重要ですが、同時に「優しさ」という資質を育むことが、本質的な仕事を成し遂げるためには必須です。

明日から、あなたの周りの人々が本当に困っていることや悩んでいることに目を向けてみませんか。相手の立場に立ち、心から話を聞き、その人の気持ちを理解することを意識するだけで、あなたの優しさは大きく育っていくことは間違いありません。

優しさはプロフェッショナルとしての土台です。そして、その優しさが、あなた自身の仕事をより本質的で価値のあるものへと導いてくれます。

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この記事を書いた人

小森塾塾長

小森塾塾長 小森広嗣

小児科医師(小森こどもクリニック理事長、院長)、人財育成コンサルタント、「7つの習慣実践会」認定ファシリテーター

小児医療、健康教育、人財育成を通し、日本を元気にすること!!が使命です。本質を考え、悩みに方向性を与える力を大切に診療、教育活動をしています。

志ある仲間と共に成長の階段を登りながら、愛のある医療チーム創りを目標に、小森塾を開校しました。

ストレングスファインダー:未来志向、成長促進、戦略性、達成欲、学習欲

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