小森塾塾長 小森広嗣 
スキルを磨くだけで優秀になれる？社会人1年目で差がつく『本当に信頼される人』の条件とは
「もっと成長しなきゃ」「早く仕事を覚えなきゃ」——そう焦ったことはありませんか？
社会人になると、多くの人が一生懸命にスキルを磨き、マニュアルを覚え、ミスを減らすことに集中します。もちろん、それは大切なことです。
でも、ふと気づくことがあります。
「スキルがあれば優秀なの？」
「ただ仕事が早ければいいの？」
たとえ能力が高くても、相手の気持ちを考えられない人は、本当に優秀と言えるのでしょうか？
今回の記事では、「優秀な人」とは何かを改めて考えながら、社会人1年目から信頼を得て成長し、充実した仕事人生を歩むためのヒント をお伝えします。
「能力が高い＝優秀」ではない理由
せっかく本来の能力を持っているのに、「能力さえ磨けばいい」と思い込んでしまうと、社会の中でその力を十分に発揮できなくなってしまうリスクがあります。
能力とは、本来「誰かの役に立つことで活かされるもの」です。
しかし、自分のスキルを磨くことだけに意識が向きすぎると、その能力を 「どう社会に活かすか」 という視点を持てず、結果として 「せっかくの才能を十分に開花させることができない」 という状況に陥ることもあります。
たとえば、
✅ 誰よりも早く仕事をこなせる人
✅ 専門知識が豊富で、どんな業務もこなせる人
✅ プレゼンや交渉が上手な人
こういった「能力の高い人」はたくさんいます。でも、もしその人が 「チームで協力できない」「相手の気持ちを考えない」 のであれば、周りから信頼を得ることはできません。
「個を大事にする風潮」の影響とは？
最近の社会の風潮として、「個を大事にする」教育が広がっています。 これはとても大切なことですが、その一方で 「周りがどのように感じているか」を意識する力が弱くなりがち という側面もあります。
実際に現場にいると、自分の視点が強くなりすぎてしまい、周囲の反応を感じ取ることが苦手な人や、「どうすればいいか」を頭で考えすぎて行動に移せずにもどかしく思っている人が増えている と感じることがあります。
そして、少し負荷がかかると心が暗くなってしまう——そんな状況も増えています。
これは、これまでの人間関係の中で、「本当の意味での衝突や共感を経験する場が少なかった」ことが影響しているのかもしれません。
しかし、社会人になれば、こうした「人と向き合う経験」が避けられません。
人間関係の中で成長することこそが、心を磨き、あり方を磨くことにつながるのです。
もちろん、今までなかった経験を社会の中でいきなり積むことはハードに感じるかもしれません。
しかし、この道を通らずして、本当の意味で「人の役に立つこと」はできません。
能力だけを磨いても、結局、誰かを助けることや、人の役に立つことが難しくなってしまう——そう考えています。
大縄跳びのように、適切なタイミングをつかむ
では、「相手を思いやる行動」とは、具体的にどうすればいいのでしょうか？
そのヒントを、「大縄跳び」に例えて考えてみましょう。
皆さんは、大縄跳びをしたことがありますか？
縄がぐるぐる回る中、どのタイミングで飛び込めばいいのか、最初はわからずに戸惑った経験があるかもしれません。
実は、職場での報告・相談のタイミングも、これとよく似ています。
このバランスを取るには、 実際の現場で試行錯誤しながら学ぶしかありません。
「考えるだけ」ではなく、何度も挑戦することが大切
今の時代、頭の中で考えすぎて、行動に移せない人が増えています。
しかし、大縄跳びも、最初からうまく飛べる人はいません。何度もタイミングをつかもうとして、引っかかりながら少しずつ感覚を身につけていくものです。
これは、「自転車に乗れるようになるプロセス」 と同じです。
最初はバランスを崩して転ぶ。でも、何度も挑戦しながら体で覚え、やがて補助輪なしで乗れるようになる。
つまり、仕事も1回の挑戦で「成功・失敗」を決めるのではなく、何度もトライしながら、自分の体感覚でつかんでいくしか方法はないのです。
人生は静かに落ち着いているものではなく、ダイナミックに心や体が揺れ動くもの です。
その揺れをただ避けるのではなく、自分の中で受け止め、コントロールしながら前に進んでいく力をつけることが大切です。
まとめ〜新社会人が「本当に優秀な人」になるために〜
優秀な人とは、単に能力が高い人ではありません。
知識やスキルはもちろん大切です。しかし、それだけでは不十分です。
本当に優秀な人とは、「相手の気持ちを考え、状況に応じて適切に行動できる人」です。
明日から、次の3つを「練習する」ことを始めてみてください。
✅ 挨拶を練習する → 挨拶は、相手の気持ちを捉える第一歩。毎日続けることで、自然と伝わる挨拶になります。
✅ 報告・相談のタイミングを練習する → 大縄跳びのように、繰り返し経験しながら、ベストなタイミングをつかんでいきましょう。
✅ 相手の立場に立つことを練習する → 「自分がどう思うか」だけでなく、「相手が何を求めているのか？」を考えながら行動してみましょう。
最初から完璧にできる人なんていません。だからこそ、何度も練習し、体験を重ねながら、自分の感覚でつかんでいくことが大切です。
その積み重ねが、いつか信頼となり、やりがいとなり、充実した仕事人生へとつながっていくのです。
そして、その先には、本当の意味で「人の役に立てる」優秀な人 がいるのではないでしょうか。