日々の「繰り返し」から何を学ぶか
仕事や日常生活の中で、どうしても「同じことの繰り返し」に感じる場面が多いですよね。特に働き始めの数年間は上司から言われたことをひたすら行う時期で、なかなか思った通りに頭も体も動かず、もどかしい思いで過ごさなければいけない時期でもあります。しかし、その繰り返しこそが、私たちの成長や心の磨きにつながっているのです。今日は、単調に見える日々の中で心を込めることの大切さについて私自身の体験も踏まえて、また当院でも教育方針の一つとしてしっかり伝えていることでもあります。
新しい世界に目移りする気持ちは、誰にでもある
私たちは時々、他の業種や職場に「新鮮さ」や「刺激」を感じます。自分にはないスキルや、別の環境が魅力的に見えることもあるでしょう。でも、どんな仕事であれ、日々の業務は基本的には「同じことの繰り返し」なのです。どんな職場であっても、目を凝らして見れば、根底には「毎日のルーティン」があります。
この現実を受け入れることで、自分が今いる場所で力を尽くし、自分を磨いていこうという決意が生まれます。私たちが「医療」という分野で働く縁をいただいているからこそ、ここで自分を成長させる使命や役割があるのです。ありがたいご縁だと私は思っています。
ルーティンの中で、心が磨かれる
私が今大切にしているのは、「一つのことをしっかりと自分のものにする」という姿勢です。毎日のルーティンに心を込めて取り組むと、表面的には同じ作業に見えても、その中で自分の心が少しずつ磨かれていきます。単調に見える日々の中にも、深い価値や意味があると気づかされるのです。
人はつい、「派手でかっこよく見える仕事」や「ダイナミックな職場」に憧れるかもしれません。しかし、私はむしろシンプルな日々のルーティンを誠実にこなすことが、実はとても素晴らしいことだと実感しています。淡々と見える日々の中にも、成長のチャンスがたくさん詰まっているのです。
心を込めて取り組むことで、「見えない部分」が成長する
毎日の仕事に心を込め、考えながら取り組むことで、私たちが提供する価値も深まっていきます。仕事の「行動」の部分だけでなく、その奥にある「あり方(ビーイング)」が育つことで、患者さんや仲間に対して本当に価値のあるものを届けられる自分になれるのです。
この「見えない部分」が育つことで、日々のルーティンがただの作業ではなく、「価値あるもの」へと変わります。目に見える成果だけでなく、自分の心や感受性が成長することこそが、仕事を通して得られる本当の喜びなのかもしれません。
自分を信じて、今いる場所で輝く
「もうわかった」「限界はここまでだ」と思い込むのではなく、毎日のルーティンの中で、コツコツと技術を磨き、心の軸を磨き、物事を感じる力を深めていくことが大切です。簡単に「他にもっと自分にふさわしい場所や役割あるかも」と目移りするのではなく、今の環境で自分の感受性を高め、成長していく姿勢が、最終的に大きな結果をもたらしてくれます。
まとめ 毎日を「価値あるもの」にするために
私自身、こうした思いを胸に、日々の仕事に向き合っています。当院の仲間には、幸せに働くための基本教育の軸として、こうした価値観を伝えています。医療の現場で、人の心を支え、励ます存在として、これからも皆とともに成長していければと思っています。
ルーティンはただの繰り返しではありません。それに心を込めることで、毎日が少しずつ「価値あるもの」に変わっていくのです。同じことをしていても、意味や価値の深さは全く別世界であり、それがプロの道です。