持続可能(SDGs)な幸せを追求するために 〜目先の利益を超えた本当の幸福〜
「もっと満たされたい」「もっと幸せになりたい」と願うのは、誰にでもある自然な気持ちです。そして、目の前の「欲しいもの」が手に入れば、その時は確かに幸せを感じるでしょう。新しい物を手に入れる、一時的な喜びを味わう、、、こうした瞬間的な満足は、日常に彩りを添えてくれるものです。
しかし、それらの一瞬の満足が過ぎ去った後、ふと「何かが足りない」と感じることはないでしょうか?無意識に目先の欲求を満たし続けることで、かえって心の奥底に物足りなさが残ることがあるのです。これは大人だけではなく、子どもの成長にも通じる大切なテーマです。私たちが本当に目指すべきは、こうした一瞬の満足を超えた、もっと深いところから湧き上がる「持続可能(SDGs)な幸せ」です。
今回は、長く続く幸福を得るために必要な考え方と行動について、私たちのクリニックや小森塾での教育方針、経験も交えながらお伝えしたいと思います。
短期的な満足と長期的な成長 〜子育ての現場で考える「本当の幸せ」〜
小児科の現場や子育て世代の方々にとっても、「目先の利益」か「本当の成長」かを考える場面が少なからずあると思います(迷うことは多々あると思います)。たとえば、子どもが「おもちゃが欲しい」「お菓子が欲しい」とせがんできた時、親としてはその要求に応えれば、その瞬間は子どもも満足し、親もホッとするものです。目の前の欲求を満たすことで、お互いに一時的な幸せを感じられるからです。
しかし、このように子どもの「欲しい」にその都度応え続けるだけで、本当に子どもが成長できるでしょうか?物や欲望を「待つこと」「努力して得ること」を学ばないまま育つと、一瞬の満足だけを追い求める大人になってしまうかもしれません。本当の成長には、「目先の満足を少し我慢して、もっと大きな喜びを得る経験」「感謝の心を学ぶ」ことが不可欠なのです。
実は、こうした姿勢こそが「親としての愛情表現」であり、私たちはこれを「本当の愛の実践の一つ」であると考えています。短期的な満足を与えるだけではなく、子どもが忍耐や努力を通じて本当の成長を実感できるようにサポートすることが、長い目で見たときに子どもにとってかけがえのない財産となるのです。そして、これは大人にとっても同じこと。目先の利益だけに囚われず、長期的な視点を持って行動することが、私たち自身の持続可能な幸福にもつながります。
幸せを築くための8つの基本原則
私たちのクリニックや小森塾では、持続的な幸せを実現するために、以下の8つの原則を大切にしています。これらの原則を日々の生活に取り入れることで、目先の満足だけにとらわれず、もっと深い幸福に近づくことができるのです。
- 感謝
幸せの土台となるのは「感謝」の気持ちです。日常の小さなことにも目を向け、感謝する心を育てることで、物事の見方が変わり、豊かな気持ちが育まれます。感謝を通じて日々の喜びを感じることが、持続的な幸せの基盤です。 - 忍耐
子育てでもよく感じることかもしれませんが、幸せを得るためには「忍耐」が必要です。簡単に結果が得られなくても辛抱強く続けることで、大きな達成感が得られ、心の成長につながります。 - 努力
幸せは待っているだけで手に入るものではありません。目先の楽な道を選ばず、努力を重ねることで、より深い満足感を得られます。子どもにも、努力の大切さを伝えていくことが重要です。 - 継続
幸せな人生は、一日で築けるものではありません。小さな努力を日々積み重ねることで、やがて大きな成果や成長を得ることができます。これが、持続可能な幸福につながる道です。 - 協力
人は一人では生きていけません。周囲と協力し、支え合うことで、豊かな人間関係が築かれます。子どもにも、他人と協力することで得られる喜びを教えていきましょう。 - 分かち合い
自分が得た知識や経験を他者と分かち合うことも、持続的な幸福を生む鍵です。分かち合うことで、周囲の人も成長し、豊かなコミュニティが生まれていきます。 - 認め合い
お互いの努力や価値を認め合うことが、信頼関係の土台になります。他者を認める心が、子どもにとっても大切な人生の基盤になるでしょう。 - 助け合い
困ったときに助け合う関係は、大きな安心感と豊かさをもたらします。助け合いの精神を持つことで、温かいコミュニティが形成されます。
このような「8つの基本原則」を日々の生活に取り入れることで、私たちは目先の利益にとらわれず、より深い幸福に近づいていけます。子育てや日々の暮らしの中でこれらの原則を意識し、子どもとともに成長する姿勢を持つことで、未来に続く豊かな人生を築くことができるでしょう。
共に、未来の幸せを築きましょう
私たちのクリニックや小森塾では、患者様やご家族、地域の皆様が長期的で持続可能な幸せを追求できるような支援を続けています。今すぐ手に入る一時的な喜びにとらわれず、長い目で見た人生全体の幸福を見据える姿勢が大切です。
子どもの要求に対して、ただ「欲しいものを与える」だけでなく、「本当に成長できる体験を積ませること」が、親としての愛情表現であり、これが本当の愛の実践の一つであると私たちは考えています。そして、これは私たち医療チームにも当てはまることで、仲間が共に育っていくことにも言えること。私たち自身も目先の利益にとらわれず、未来に向けた努力と忍耐を重ねることで、本当の幸せを手に入れることができるのです。
子育てや日常生活の中で、この「8つの原則」を意識し、共に幸せな未来を築いていきましょう。感謝、忍耐、そして努力を通じて、お互いに支え合いながら、豊かな人生を歩んでいきましょう。