地域の子どもと家族、そして医療者が共に成長する――それが本当のやりがいと楽しみ

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私は小児地域医療の現場で、日々たくさんの子どもたちやご家族と向き合っています。この仕事で最もやりがいを感じる瞬間は、「できなかったことができるようになる」という一歩に立ち会えるときです。その一歩が、子どもたちにとっても、ご家族にとっても大きな成長につながります。

そして、その成長の瞬間は、実は子どもや家族だけでなく、一緒に働く医療従事者自身にとっても非常に大切な学びや成長のきっかけになっています。

迷いや不安を超えて――できるようになる瞬間の喜び

たとえば、トイレで排便をするという思い切った勇気を乗り越えられた子どもたちの姿が印象に残っています。初めは「できるかな?」と不安げな表情を見せていた子が、何度かの挑戦を経てついにトイレでできるようになる。そして、それを少し恥ずかしそうにしながらも、時には自信に満ちた表情で「今日はトイレでできたよ!」と報告してくれるときがあります。

そんな瞬間に立ち会うたびに、私自身も本当に嬉しくなります。子どもたちが勇気を振り絞って新しい一歩を踏み出し、少しずつ自信をつけていく姿を見ると、この仕事をしていてよかったと心から思います。

一歩を踏み出すのは、医療者も同じ

このように、子どもたちが挑戦を重ね、一歩を踏み出す姿を見守っていると、ふと気づくことがあります。それは、「一歩を踏み出す」という課題は、医療者自身にも当てはまるということです。

一緒に働く仲間の中には、「もっと患者さんに寄り添いたい」「新しいことに挑戦したい」と思いながらも、なかなか勇気を出せずにもどかしい思いを抱えている人がいます。そんな仲間を見ると、「少し背中を押してあげられたら、この人はもっと成長できるのに」と感じることが少なくありません。

私は、現場ではある種の試行錯誤が求められると考えています。実際に手足を動かし、体で腑に落とすことができるまで、トライアンドエラーを繰り返すことが大切です。最初から正しいことだけをやろうとするのではなく、安全な環境の中で、許される範囲でいろいろ試してみることが重要です。そうやって、少しずつ経験を重ね、自分の体感覚として身につけていくのです。

私はいつも、「失敗することは問題ではない」と伝えています。むしろ、やりながら学び、体で覚えていくことが成長には不可欠です。この考え方は、私が指導の際に常に大切にしている中心的なポイントです。だからこそ、仲間にも「うまくいかない経験を乗り越えていくことで本物力が身につくもの」「まずやってみよう」と声をかけ、成長の機会を大切にするよう心がけています。

小児地域医療は、成長を支える場所

仲間同士が手を取り合い、お互いに成長を促すような関係を築くことで、より良い医療が提供できます。子供や家族だけではなく、医療メンバーも成長し続けることで、患者さんへのケアが一層深まります。職場が「挑戦できる場」「成長する場所」になれば、自然と患者さんへのサポートも厚くなります。こうして、患者さんの成長と医療者自身の成長が連鎖し合う環境が生まれていっています。

「小さな一歩」が未来をつくる

どんなに小さなことでも、一歩を踏み出すことには大きな意味があります。例えば、子どもたちがトイレで排便できるようになること――それらの成功体験が彼らの自信を育み、次の挑戦への原動力になります。そして、その一歩を支えることが、私たち医療者にとって何よりの喜びであり、やりがいです。

同じように、医療メンバーもまた、「一歩踏み出していく勇気」を実践すること。互いに支え合いながら挑戦を続け、成長していくことが大切です。仲間が不安を抱えながらも一歩を踏み出し、成長していく姿を見るたびに、私も成長、挑戦を続けたいという気持ちをもらっています。こうした挑戦と成長の連鎖こそが、医療現場を活気づける原動力になっています。

地域医療の未来を共に歩んでいく

これからも私は、地域の子どもたちや家族の一歩を支え、そして一緒に働く仲間たちの成長を後押しできる環境をつくっていきたいと思います。どんなに小さな一歩でも、その積み重ねがやがて大きな飛躍につながっていきます。

地域とともに歩み、子どもたちや仲間たちと共に成長していく――その挑戦が、私たち医療者の何よりの楽しみであり、未来を支えるやりがいだと信じています。

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この記事を書いた人

小森塾塾長

小森塾塾長 小森広嗣

小児医療、健康教育、人財育成、啓蒙活動を通して、日本を元気にすること!!が使命です。地域医療の小児科医として現場で診療、教育活動をしています。

小児科医、人財育成コンサルタント、「7つの習慣実践会」認定ファシリテーター、生成AIエンジニア

ストレングスファインダー:未来志向、成長促進、戦略性、達成欲、学習欲

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