「頑張っているのに成果が出ない」「理想の先輩たちに中々近づけない」、、、そんな風に焦りや不安を感じていませんか?
自分なりに努力しているのに、目に見える成果が出ないと、「やっぱり自分には向いていないのかも」と迷ってしまうこともあるかもしれません。
私は小児科医として、これまで多くの子どもたちの成長を見守ってきました。成長には必ず段階があり、焦って結果を急ぐのではなく、一歩ずつ進むことの大切さを痛感しています。
さらに、私自身も小児外科医として理想と現実のギャップに悩みながらも、成長のプロセスを大切にし、一つひとつ乗り越えてきた経験があります。今日は、そんな小児科医の視点から、“焦らず正しく成長するためのヒント”=「成長の法則」をお伝えします。
もし今、あなたが「理想に近づけない自分」に悩んでいるなら、、、焦らなくても大丈夫。この記事では、私も実践してきた「今、すべきこと」に焦点を当てながら、焦りや不安を前向きな行動に変える方法をご紹介します。
焦りは成長意欲の証。でも、そのままでは危険
まずお伝えしたいのは、「焦りを感じること自体は悪いことではない」ということです。
理想と現実のギャップに気づき、「もっと良くなりたい」と思うからこそ焦りが生まれます。この気持ちはあなたが成長したいと思っている証拠なのです。
しかし、この焦りをそのままにしておくと、行動の方向性を見失ってしまうことがあります。
例えば、まだ基礎が固まっていない段階で、いきなり上級者向けのスキルや仕事に手を出してしまうと、大きな挫折や失敗につながることがあります。
赤ちゃんの成長から学ぶこと
赤ちゃんを思い浮かべてみてください。
赤ちゃんが歩けるようになるまでには、まず「はいはい」から始まり、「つかまり立ち」を経て、「ヨチヨチ歩き」を始めます。そして、そこからようやく「走る」ことができるようになります。
この過程にはどうしても「絶対的な時間」が必要です。
1歳の赤ちゃんが5歳の子どもを見て、「自分もジャングルジムに登りたい!」と思ったとしても、今の段階ではまだ足腰が十分に鍛えられていないため、ケガをすることは想像に難くありません。
私たちの成長も同じです。今の自分に見合った基礎を固める段階を飛ばしてしまえば、成長のバランスが崩れてしまいます。
大谷翔平選手も歩く練習から始めた
ここで、大谷翔平選手の例を挙げたいと思います。大谷翔平選手のような世界的なアスリートも、最初からすべてができたわけではありませんよね。
彼にだって「赤ちゃんの時期」があり、一生懸命「ハイハイ」し、何度も「歩く」練習を繰り返す時期があったはずです。
ヨチヨチ歩きをしているときに、ホームランが打てる選手がいる中でも、その時の大谷選手は、「安定して歩く」練習を一生懸命していたのです。
赤ちゃんの時から始まり、その時に「必要な練習」の「段階」を、確実に身につけていくプロセスが絶対に必要だということです。
すなわち「プロの道」には、本当に長い、長い「地道な練習」の「時間」や「ステップ」が必要だという事実を示してくれています。いきなり「かっこいいプレーはできない」のです。この紛れもない事実は、謙虚な気持ちと勇気をもらえます。
焦らず基礎を固めることから始め、今の段階(ステップ)ですべきことをコツコツ積み上げる。これは大谷翔平選手の成長の事実から学べる「普遍的な成長の法則」だと言えると思います。
成長には絶対的な時間と基礎が必要
成長には時間が必要です。
「農場の法則」とは、成果を得るには時間と手間をかけてコツコツ努力することが必要だという考え方で、自然の絶対的な原則です。
農業では、種をまいた後に水を与え、肥料を撒き、雑草を取り、土を耕すといった適切な手入れを続けなければ収穫は得られません。
同様に、人生でも短期的な結果を求めるのではなく、地道な努力を積み重ねることで、やがて大きな成果が得られるという教えです。
焦りを感じることは自然ですが、「今は基礎を固める時期なんだ」と意識することで、気持ちに余裕が生まれます。そして、この「基礎を固めること」が、後の大きな飛躍につながるのです。

今、あなたがすべきこと〜5つのヒント〜
理想を実現するためには、まず今の自分に合った努力を積み重ねる必要があります。では、具体的にどのような行動をとれば良いのでしょうか?
1. 基礎基本を徹底する
成功の土台となるのは基礎です。スポーツで言えば、球拾いや素振り、グラウンド整備といった、一見地味な作業です。仕事においても、挨拶、掃除、準備、片付け、報告・連絡、相談、上司やリーダーの指示に従うなど、基本的な行動の反復練習が成長の鍵となります。これらを疎かにせず、コツコツ取り組む姿勢が重要です。
2. 心身のタフネスを鍛える
成長の過程では、プレッシャーやストレスに直面する場面が必ず訪れます。それを避けることはできません。しかし、その厳しい状況を乗り越えること自体が、心身を鍛え、本当の強さを得るための大切なプロセスです。
特に、現実では思い通りにいかない状況やトラブルが日常的に起こります。そのような環境の中で過ごすことは決して楽ではありませんが、むしろその経験を通じて心身がたくましく育まれるのです。
強いストレスの中で消耗するような瞬間もありますが、それを乗り越えることで、エネルギーの使い方を学び、より効率的に対処できる自分へと成長していきます。
また、失敗や困難を経験し、それを乗り越えることでしか身につかない「本当の強さ」や「優しさ」もあります。
たとえば、厳しい環境で粘り強く努力することは、単に成功のためだけでなく、リーダーとして他者を導く力を養うことにもつながります。
トラブルやハプニングがあっても、状況を突破し、自分の望む方向へと突き抜けていく力を磨くことが、次のステージに進むための重要な基盤となります。
重要なのは、厳しい状況を単に「辛いもの」として終わらせず、それを自分の糧にすることです。
困難な時期は、心身のタフネスを鍛え、成長するための機会でもあるのです。逆境の中で得た「強さ」や「しなやかさ」は、あなたが今後どんな環境においても役立つ大きな財産となります。
3. 他人と比較しすぎない
先輩や同僚と自分を比較して落ち込むことはありませんか?比較することでモチベーションを得ることもありますが、行き過ぎると焦りや劣等感につながります。他人を目標として模範にするのは良いですが、「今の自分」に集中することを忘れないでください。
4. 目の前のことに全力を注ぐ
「こんな簡単なことばかりやっていて大丈夫なのだろうか?」と思うことがあるかもしれません。しかし、目の前のシンプルなタスクに集中し、それを繰り返すことで基礎力を磨くことができます。応用やアレンジを考えるのは基礎が固まった後で十分です。
5. 自分の軸をしっかり定める
焦りに流されないためには、「なぜこの仕事をしているのか」「この仕事を通してどうなりたいのか」を明確にすることが必要です。さらに、自分の軸を組織の目標や価値観に沿わせることで、迷いを軽減し、自信を持って進むことができます。
まとめ〜今の努力が未来をつくる確かな力となる〜
今の「もどかしい」思いを大事にしてください。焦りを感じるのは成長意欲の表れです。
「今の自分にできることに集中」して、王道の成長の道を歩みましょう。そして後で振り返ったとき、今の努力が未来への盤石な土台づくりだったことを実感するはずです。一歩ずつ進んでいきましょう!